エアロフォンの表現力を磨く「歌う」練習法 朧月夜で実演比較
こんにちは、しゅうこです。
発表会などでアコースティック・サックスの演奏を聴くと、音が奏者の雰囲気を表していて、とても素敵だなと思うことがよくあります。
渋くてかっこいい音だったり、やわらかくて優しい音だったり、同じサックスでも人によって音が全然違いますよね。
一方で、録音した自分の演奏を聴くと…。
なんだかのっぺりしている…。もっと表情豊かに演奏したい!
そう感じることが多くて、悩んでいました。
表現力を鍛えるにはどうすればいいのか。楽器を問わず、多くの方が悩むことではないでしょうか。
レッスンでは「歌うように演奏しましょう」と、「歌う」という単語がよく出てきます。
「歌うってどういうこと!?」と思っていましたが、「実際に歌う」という行為をしてみたところ、「なるほど!」という気づきがありました。
今回は、「歌う」ことで表現力が向上したので、「朧月夜」のワンフレーズを実演します。
ぜひ最後まで読んでみてください。なにか参考になればうれしいです。
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電子楽器は表現力が弱いのか?
まずは、エアロフォンに対してよく持たれる「ある印象」についてお話しします。
エアロフォンって強弱とかつけられるんですか?
と、時々質問されます。
おそらく私の演奏を聴いて、「強弱がついていない、表現が足りない」という印象を持つのだと思います。
- エアロフォン(電子楽器)は、アコースティック楽器と比べて表現の幅が狭いのではないか
- アコースティック楽器のような豊かな表現はできないのではないか
こんな懸念を抱かれるのでしょう。
エアロフォンにそんな印象を持たれてしまっては、エアロフォンに申し訳ない!
なぜなら、プロの演奏はとても素晴らしいからです。
プロの演奏を聴いて、「アコースティック楽器と比べて表現力が弱い」なんていう人は絶対にいない!そう断言します。
ですので、私の演奏に表現力が足りないのは楽器のせいではありません。
程度の差こそあれ、表情豊かな演奏をすることは可能なはずなのです。
表現力とは?
「そもそも表現力って何だろう?」と、私が試行錯誤してきた過程をお話しします。
以前、基礎練習は表現力の基礎!と思って励んでいるという記事を書きました。
スケールや練習曲で、楽譜に書かれているアーティキュレーション(強弱、スラー、タンギング、テヌート、スタッカート)などの技術を向上させていくと、表現力が培われる。そう思って練習してきました。
その考えに変わりはないのですが、最近、どうもそれだけではないのではないか?という疑問を持ち始めました。
楽譜通りに正確なテンポで音を刻み、スラーやタンギング、強弱などのアーティキュレーションをつけても、「何かが違う」という違和感が拭えない…
もっと表情豊かな演奏をするにはどうしたらいいのか。
表現力を養う方法を調べると、「曲を深く理解する」「曲の背景を読み取る」「情景を思い浮かべる」「いろんな経験をする」などの方法がでてきます。
やってみようとしましたが、イメージが湧きません(涙)。
そんな悩みを相談したところ、「実際に楽譜を歌ってみるといい」というアドバイスをもらいました。
「タララ~」や「ラリラリラ~」みたいな感じで、歌詞ではなく音符を歌ってみる。
そして、よく言われるのが「強弱は自分の思っているよりも3倍大げさに」。
これも今までは「やってるつもりなんですけど、うまくできないんです」という感じでしたが、具体策を発見しました。
- 合唱隊や、声楽家、オペラ歌手になったつもりで歌ってみよう!
\ 表現力の幅が広がるエアロフォン /
実演 「朧月夜」歌う前と後でどう変わるか
ここからは、実際の録音を聴き比べながら、歌う前と後の変化を確認していきます。
曲:朧月夜のワンフレーズ(著作権フリー)、テンポは♩=80です。
エアロフォンの設定:アルトサックス1、エフェクト完全オフのDRY、E♭→Cへ移調しています。
周辺設定:エアロフォンとWinPCをGO:MIXER PRO-Xに接続し、サウンドレコーダーでライン録音しました。
歌う前
実際の演奏です(音が出ます)。
①練習なしで演奏。アーティキュレーションをなにもつけず、すべてタンギングで演奏しました。
②自分なりにアーティキュレーション(強弱、スラーなど)をつけて20分ほど練習しました。
音符の上のカッコは、フレーズの区切りを意識しています。
今までの自分の演奏はこんなものかなと思います。
歌った後
③ワンフレーズだけ歌う練習をしました。
声楽家になったつもりで、身振り手振りも使って歌いました(歌詞ではなく、ラララ~)。
アーティキュレーションをさらに加えます。
「歌う→エアロフォンを吹く→録音する」で1時間ほど練習した後の演奏がこちらです。
結果
期待してたほどの変化はない…?
そういう厳しいツッコミもありそうですが(汗)、自分なりの分析・改善点が以下の通りです。
- 歌う前① カウントが4拍子になっており、3拍子を理解していない
- あえて強弱などを付けずに演奏。のっぺりとした、平坦な印象を受ける
- 歌う前② 今までの演奏の限界 3拍子に気づいて改善。アウフタクトが強くならないよう注意した
- 後半クレッシェンドを心掛けたつもりだが、聴いてみると、なんとか強弱がついているという印象
- 全体を通して、ほぼ同じ音の大きさ
- 歌った後③ 歌いながら、ひとつひとつの音符の強弱や前後関係を意識して、アーティキュレーションを追加
- 「みわたーす」の「す」の音が小さく歌われていることに気づく
- 表現しようとすると、テンポが遅くなりやすいので注意した
- 出だしの音を小さめに出せるようになった(若干途切れてはいるが)
- 後半のクレッシェンドが改善、デクレッシェンド後もやさしく入れるようになった
- 小さい音、大きい音のメリハリがついた
- 演奏中、身体が自然に動き始める
- 歌う前①②と比べると、全体的に柔らかくなり、流れができているような気がする
\ ライン録音に便利なミキサー /
まとめ
最後に、今回の「歌う」練習で分かったことを振り返ります。
エアロフォンは、息を吹き込めばきれいな音が簡単に出ます。大きな音も出しやすいです。
その反面、小さな音を出すのが難しい。
最初からきれいな音が出るため、表現力がないと平坦な演奏に聞こえてしまうのです。
実際に楽譜を歌ってみることで、今まで疑問だった「歌うように演奏する」という言葉の意味が分かりました。
歌う練習をした後に、文字通り「歌うように演奏する」ことで、表現の幅が出てきました。
- オペラ歌手になったつもりで、身振り手振りを加えて歌う
- 模範演奏がある場合は、徹底的にまねをして歌う
- 歌詞ではなく、「タララ~」や「ラリラ~」でOK
- 録音して自分の演奏を聴く
- テンポはキープする
「表現力を鍛えるにはどうすればいいのか」という疑問。広大な暗闇に一筋の希望の光が差したような体験でした。
もっと上達したい!上達の余地・のびしろがまだまだある!
改めてそう思いました。
一緒にエアロフォンを楽しみましょう!